葉祥明美術館館長のおすすめ映画:『善き人のためのソナタ』 |
![]() 2007.02.24 Saturday
葉祥明美術館館長・堀内重見による、おすすめ映画シリーズ
本日ご紹介する作品は「善き人のためのソナタ」です。 ![]() 2006年/ドイツ映画/138分 監督・脚本/フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク 主演/ウルリッヒ・ミューエ 音楽/ガブリエル・ヤレド(『イングリッシュ・ペイシェント』でアカデミー賞受賞) アカデミー賞外国語映画賞ノミネート(2007年1月現在) ゴールデングローブ賞外国語映画賞ノミネート ヨーロピアン・フィルム・アワード(作品賞・主演男優賞・脚本賞)受賞 《STORY》 1984年、「ベルリンの壁」が崩壊する5年前の東ベルリン。 東ドイツは自らのほころびを縫い繕うため、 国民の統制と監視システムを強化していこうとする。 国民監視組織・国家保安省(シュタージュ)の局員であるヴィースラーは、 劇作家ドライマンとその恋人である舞台女優クリスタの生活をすべて監視し、 反体制人物である証拠を掴むよう命じられる。 ヴィスラーは二人の住むアパートの部屋すべてに盗聴器をしかけ、 屋根裏部屋に陣取り、24時間態勢の監視を始めることに。。。 ------------------------------------------------------------------------- 国民監視組織・国家保安省(シュタージュ)は、その残忍さ、冷酷さから ナチス時代のゲシュタポとも例えられ、恐怖政治の一端を担っていました。 あまりにも巨大で、国民の生活に入り込んでいたために、 東西ドイツ統一後、17年が経過するまで、多くを語られることがなく、 映画のテーマになることはタブーでした。 今回はそのタブーに深く切り込み、強力な監視社会と国家権力の恐ろしさを描き、 ドイツの人々が自分たちの過去と向き合う作品になったと言われています。 そして、その社会に完全に馴染み、履行している人間の心の変化が、 「『善き人のためのソナタ』を本気で聴いた者は、悪人になれない」 という言葉を通して、観ているものに「善とは何か?」と語りかけます。 この映画は、時代という大きな波に翻弄され、操られながらも、懸命に生きる人々を、 辛く、悲しく、苦しくも、美しさと強さ、優しさを併せ持つ姿へと描き出した、 素晴らしい珠玉の作品に昇華されたのではないかと思います。 スリリングな展開とラブストーリー。 ただ今、上映中です。 ぜひご覧いただきたい、私イチ押しの作品です |





