掲載されました!:『西日本新聞』2013年10月23日(水)-やなせたかしさんをしのぶ-その1/2

  • 2013.11.19 Tuesday
  • 00:00
2013年10月13日に「やなせたかし」さんが亡くなられ、
葉祥明にそのことに関してのコメントや執筆依頼がいくつかありました。鉛筆

今日は“西日本新聞社”の文化面に掲載された文章をご紹介します。見る

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              〜やなせたかしさんをしのぶ〜
           『出会う全てを 両手広げて受け入れた』

四十年も前のことだけど、心の中に今も刻み込まれている。
やなせさんと初めて出会った日のことだ。

当時、キティちゃんで有名なサンリオは五反田のTOCビル(東京卸売りセンター)の中にあった。そこからある日、25歳の無名の駆け出しで、絵本を一冊だけ出していた僕に一本の電話。サンリオはファンシーグッズのほか『詩とメルヘン』や『いちごえほん』という月刊誌を出していたけれど、僕は何となく、中途半端な気持ちで訪れた。

折角だからと担当者の方が社内を案内してくれた。長い長い廊下の先に社長室。虹のオブジェが印象的で、いかにも夢を売るサンリオらしい。廊下に出ると、こつ然と向こうから、見覚えのある、顔と声のやなせさんが魔法のように現れた。

両手を広げて開口一番、「君が葉君? いい人そうだからやってもらおう!」。まるで映画のワンシーンのよう。僕は思わず「は、はい!」。するとやなせさんは、さっと風のように去っていった。

以来、四十年間、様々なシチュエーションで、やなせさんはいつも印象深い顔と声と身振りで、突然、現れ消え去る。というのが、僕との関わりのパターンになった。それは多分、僕だけじゃなく、やなせさんと関わった、多くの人々も同様ではないかと思う。

やなせさんにとって、この世の出来事、そして出会う人々の全てを、拒んだり否定したりしないで、両手を大きく広げて「おおう!」と受け容れる。自分の境遇も、沢山のd病気も、世間からの様々な働きかけや、やっかいな事にも、動じることなく、大らかに受け止め、立ち止まらないで先へ先へとつき進んでいく。(続く)
コメント
やなせさん、偉大な人でしたね。
  • toshi
  • 2013/11/19 10:37 PM
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